顎関節症の治療と経過は?

当院における顎関節症に対する治療方針を御説明します。
 
 多くの方が、「痛みが出た」、「口が開かなくなった」等で来院されます。
まずは、マニュプレーションといって顎を少し引っ張るような感じで良好な位置を確認します。
それで多少はお口が開きやすくなります。
その後マウスピースを使用して頂き、顎関節の安静を図ります。(基本的には半年くらい使用する)
 その他、痛みは無いが開け閉めの時に音が気になる方も多くいらっしゃいます。
マウスピースによる治療で音まで消える事は難しいと思います。

 マウスピースを使用した後の経過ですが、8割くらいの方が症状が落ち着き、
痛み・片頭痛・首のこりなどの不快症状が消失しています。(2ヶ月程で)
残りの2割くらいの方は、症状の変化がなくマウスピースによる治療での限界がみられます。
顎の形態、咬み合わせの状態で完治が困難な事もあります。
 
顎関節症に関して手術の適応になる場合はかなり限られた症例のみです。
基本的には、お口が指3本くらい開いて、痛みが無ければ問題なしとします。
音のみの場合は経過観察にしています。

 腰痛、手足の関節痛と同じで顎関節もすぐに良くなるものではありません。
数ヶ月の期間を診て評価が必要になることを御理解ください。