歯周病予防・治療
歯周病はお口の中だけの問題ではありません。さまざまな全身疾患との関連があります。
日本人の55~64歳の約50%がこの病気にかかっています。早期発見早期治療を心がけましょう。
歯周病とは
歯周病は、歯を支える周りの歯槽骨が減り、歯が動くようになり、最後には脱落する病気です。歯茎からの出血や、歯が動揺(動き)している場合は、歯周病の疑いがあります。国民のほとんどが罹患する可能性の高い、国民的文明疾患であり、生活習慣由来のものです。
日常の歯みがきが一番重要ですが、加えて歯科医院での定期検診が必要です。原因を考え、予防策を立てていく必要があります。
当院では、応急的処置以外に、まずは歯周病治療を優先させて継続的な歯科衛生士による口腔清掃管理を行っていきます。
近年、特に全身疾患と歯周病との関連が重要視されています。
糖尿病、心疾患をはじめとするさまざまな疾患は歯周病細菌との関連性が証明されています。
今後の歯科医院は、いかに全身疾患を理解し、それに対応しているかが重要な事項とされています。
当院は、既往疾患、服用中のお薬などを十分に考慮した治療を行い、個々の口腔内環境を安定させることを目的とした歯周病治療を行っております。
また、最近、「歯を抜かない治療!」などと広告している医院もありますが、それはどの医院でも当然のことで、専門的なことではありません。抜歯の必要の無い歯を抜く医院など存在しないからです。
逆に当院は、抜くべき必要のある歯は確実に処置をして良好な口腔内環境にします。特に、全身疾患がある方などは「抜くべきところは抜く治療」をしなければいけません。
5年後、10年後を考えた時に最良の状態をつくることが歯科医療の原点です。
歯周病の原因
歯周病の大きな原因はプラークと呼ばれる歯垢です。歯垢はむし歯、歯周病の原因となる微生物のかたまりで、1mgあたりに約1億個の微生物が活動をしています。
歯垢が石灰化した歯石も歯周病の原因のひとつで、歯石はブラッシングだけで取り除くことはできません。
またタバコも歯周病の原因の一つです。タバコを吸うと血液の循環が悪くなり、歯茎の再生能力が弱くなるため歯周病が進行してしまいます。
歯周病は歯周ポケットと呼ばれる歯肉の下に隠れて増殖していくともあり、なかなか自覚症状の出にくい病気です。
また、糖尿病、腎疾患、高血圧症を合併している方、脳梗塞による片麻痺によりブラッシングが困難な方や口腔乾燥症(ドライマウス)により唾液の分泌が低下している方なども歯周病に罹患しやすいとされています。
当院では、さまざまな全身疾患をお持ちの方、多くのお薬を服用されている方に対しても専門的知識により安全な治療を行っております。
治療前 口腔内所見 清掃状態不良のため歯周炎がみられる
治療後 口腔内所見 清掃状態も良好で、歯肉の炎症、色調も良好である
歯周病の段階
初期状態
歯の根元に少し歯垢や歯石がついてる。 あまり自覚症状はない。
歯周炎
歯の根元に少し歯垢や歯石がついてる。 あまり自覚症状はない。
歯周病中程度
歯の周辺の歯肉も赤く腫れる。
出血・口臭・起床時の不快感がある。
歯が揺れる。
歯周病重症
歯ぐきが化膿し、腫れることもある。
歯の動揺が著しくある。
歯周病チェック
あなたの「歯」の虫歯・歯周病危険度をチェック!!
「8020運動」ってご存知ですか?そう、80歳になったとき、自分の歯を20本以上残そう!という運動です。でも、ある調査によると、約75%の人が、80歳になったときに自分の歯を20本残せるかと言われれば、自信がないとか。
歯を失う原因は、虫歯だけではありません。しっかり歯磨きをしていた人でも、50歳くらいから急にごそっと歯が抜けてしまう、歯周病という恐い病気にかかることがあります。
そこで、「歯」の危険度をチェック!
□ 甘いものが好きで、ジュースやアメなどいつも何か口にしていることが多い
□ 歯ブラシの毛がすぐに開いてしまう
□ 歯の間に物がよくはさまる
□ 歯ぐきが腫れたり血が出ることがある
□ 歯ぐきの色がピンクではなく、赤や赤紫になっている
□ 歯がのびてきた
□ 固いものが噛めない
□ 指で歯を押したり、強くかみ締めると歯がぐらつく
□ 指で歯茎を押すとブヨブヨしている
□ 口がネバネバする
□ 歯が浮いた感じがする
歯周病は虫歯のような強烈な痛みがないため、気づいた時にはだいぶ進行してしまっているものです。
あなたは大丈夫ですか?
さあ、今から鏡に向かってチェックしてください!