3月の臨時休診日のお知らせ
3月の臨時休診日のお知らせです。
3月15日(水) 午後は休診となります。
3月23日(木) 午前のみ診療を行います。
以上、宜しくお願いします。
2月 臨時診療日・休診日のお知らせ
2月の診療日のお知らせです。
現在のところ通常の診療日にて予約を受け付けております。
少しでも症状のある方はお早めにご予約頂きますよう
宜しくお願い致します。
トピックス&ニュース2
過去のトピックス
口腔がんの早期発見 -口腔がん検診の必要性-2009年05月15日 朝日新聞
ドライマウス(口腔乾燥症) ( 読売新聞 2008年12月25日)
ゆっくり食べ 少量で満腹 (読売新聞 2008年12月11日)
2008年3月30日 妊婦さんも歯が命 口腔ケアで出産時のリスク軽減 (2008年2月27日 水曜日 産経新聞の記事)
2008年2月14日 3大がん検診、「一度も受診なし」半数 内閣府調査 (2007年11月12日 朝日新聞の記事)
トピックス
口腔がんの早期発見 -口腔がん検診の必要性-2009年05月15日 朝日新聞
◆専門医が集団検診 福生市
死亡者数が増えている口腔(こうくう)がんの早期発見をめざす集団検診が広がっている。
福生市は6月、専門医による無料の集団検診を40歳以上を対象に初めて行った。一般の歯科医師には異変の見極めが難しいとされる口腔がん。専門医による集団検診は少ない負担で「早期発見、早期治療」に結びつくメリットがある。
◆死亡者増える傾向
「入れ歯を入れると、当たって痛い」。3月、福生市で開業する歯科医のもとに診察を受けに来た60代の男性が症状を告げた。
下あごの歯茎と舌の中間が赤く膨らんでいた。触ってみると粘膜が硬くなっていた。
「口腔がんかもしれない」
男性には病名は告げず、「精密検査を受けてください」と専門医を紹介した。進行性の口腔がんと診断された。
口腔がんは、大相撲の二子山親方(元大関の貴ノ花)や人気ロックグループ・チェッカーズの元メンバー徳永善也さんの命を奪った病気だ。しかし、日本では口のなかの病気が命にまでかかわるという認識が欧米に比べて低いうえ、啓発活動も遅れている。
厚生労働省の調査(01年度)では、がん全体の約5%を口腔がんが占める。死亡者数を日米で比較すると、米国の減少傾向に対し、日本は増加傾向だ。
日本では、患者の約87%が50代以上という統計もあり、高齢化社会で口腔がんにかかりやすい世代の人口が増えていることが死亡者数増の原因のひとつに推測されている。
検診する歯科医師には口のなかの小さな病変を見つける「目利き」が必要とされるため、修練を積んだ者が担当すべきだとされている。だが、日本では一部の大学や地域を除き、国や歯科医師会が開業医の検診技術を磨く教育に力を入れてこなかった。
一方、米国では州レベルの歯科医師会に口腔衛生の専門家を加えたプロジェクトチームがつくられ、予防と診断のガイドライン作成や、開業医の教育などが国家予算を組んで戦略的に実施されている。
福生市歯科医師会では、04年から市と共催の年1回のイベントで「口腔がん歯科相談コーナー」を始め、開業医を対象に検診の実習会を開いてきた。一方、「罹患(りかん)率は低いが、年々死亡者が増えている現状は見過ごせない」と、専門医による集団検診の実施を市に要請してきた。
福生市は今年度予算に口腔がん検診委託料63万8千円を計上。約100人を対象に6月20日、市保健センターで専門医による集団検診を初めて実施する。
検診は1人10分ほどで済むという。胃がんや乳がんなどに比べると、精密検査の費用もかからないのが特徴だ。
◆首都圏実施広がる
口腔(こうくう)がんの集団検診は各地の自治体に広がっている。
千葉市歯科医師会では92年から年1回、市と東京歯科大が協力し無料で集団検診をしている。同大は開業医対象の検診実習にも取り組んでいる。千葉県市川市は今年度から、地元歯科医師会の指定する診療所で成人を対象にした検診を始める。自己負担は500円だ。
世田谷区の玉川歯科医師会は02年から、会員に対する検診の講習会などを開催。研修を修了した会員の診療所で検診を受け付けている。自己負担は800円。同区は今年度から玉川歯科医師会と世田谷区歯科医師会に委託し、51歳、61歳、71歳を対象に集団検診を始める。自己負担は700円。担当者は「口腔がんを知ってもらうことと、早期発見・早期治療が最大の目的」と話す。
神奈川県歯科医師会の主導で相模原市、川崎市、横浜市港北区が年1回、30?50人程度を対象にした集団検診をしている。相模原市は今年度から年2回、40歳以上の100人を対象に集団検診を予定。自己負担は500円。
藤沢市歯科医師会は4年前から市民病院の協力で年1回、50人を対象に無料の集団検診。昨年からは市の予算で歯科医師の検診研修を始めた。 2009年05月15日 朝日新聞
このような現状から当院も八王子市での実施に向けて検討中である。
同市においても専門医による検診システムを早急に確立していく必要があると思われる。
顎関節症とは?(2009年4月6日 読売新聞)
[Q&A]習慣改めるだけで効果
——顎関節症とは、どんな病気でしょうか?
顎関節症は単一の病気の名前ではありません。あごの関節や筋肉の痛み、口を開けにくい、顎関節が鳴る、などの症状を持つ慢性的な病態をひとくくりにした診断名です。
——患者数は?
軽い症状も含めれば、人口の半数が経験しているといわれます。人口の十数%は顎関節が鳴りますが、受診する人はまれです。音以外に支障がなければ、気にする必要はありません。患者の6~7割に、顎関節でクッションの働きをする関節円板のずれがあります。人口の3割はずれていますが、何の症状も意識していない人も多くいます。
——患者の年齢や性別に特徴はありますか?
20代から30代が最も多く、高齢になるほど減ります。目立つのは大学を卒業し、社会に出た直後の人で、緊張感でくいしばったり、夜中の歯ぎしりが増えるためだと思います。性別では、女性が男性の2~3倍です。原因は不明ですが、骨格の弱さや症状に対する敏感さなどが指摘されています。
——かみ合わせの悪さが原因ではないのですか?
かみ合わせが一番の問題と思っている人が多いのですが、歯科事情が悪かった昔よりも患者が増えていることと矛盾します。精神的なことと歯は関連があります。仕事や人間関係、パソコン業務などのストレスが、歯ぎしりやくいしばりなどを生み、あごに負担をかけているケースが多いと思います。
本来、口を閉じていても上下の歯はすき間があるのですが、患者の7割は食事や会話の時以外でも歯を接触させる癖があります。それだけで筋肉は活動し、疲労してしまいます。
——治療はどのように行われていますか?
スプリント(歯科用マウスピース)、鎮痛薬、かみ合わせ治療、外科療法、薬物療法などがあります。歯やあごに大きく手を加える外科的な治療が一時期はやりましたが、再発や悪化が多いことが分かりました。痛みがある時に歯を削るような治療は避けるべきです。痛みがあると筋肉は縮こまり、かむ位置がずれるはずです。痛みが取れてあごの位置が元に戻ったときに、またかみ合わせが変わる可能性があるからです。
確実な治療法はないので、できるだけ危険の少ない治療法を優先すべきです。患者自身が、あごに負担をかける生活習慣や姿勢に気づき、改めるだけで大きな効果があります。
ドライマウス(口腔乾燥症) ( 読売新聞 2008年12月25日)
最近、口の中が乾いて食べ物が飲み込みづらく気になります。病院へ行くべきなのか迷っているのですが…。(東京都52歳 女性)
症状からしてドライマウスが疑われます。口内の乾燥は不快なだけでなく、歯や歯茎などにも悪影響を与えるので、歯科口腔外科やドライマウス外来などを受診して、適切なケアを行うことをすすめます。
ドライマウスとは、唾液の分泌量が低下して口の中が乾燥してしまう状態をいいます。中高年の女性を中心に増加しており、発症者全体の92%が50歳~70歳の女性というデータもあります。
原因としては加齢やストレス、向精神薬などの副作用、病気治療の影響(抗がん剤、がんの放射線治療)、内科疾患(糖尿病、甲状腺の病気)、そして膠原病のひとつ、シェーグレン症候群(口と目の乾燥を主な症状とする病気)などがあげられます。
主な症状としては、口の中の乾燥のほか、舌やくちびるがピリピリ、ヒリヒリ痛む、口の中がネバネバするなどです。とくに口の乾燥感と舌痛は、患者さんが訴える中心的なもので、「がんではないか」と心配する人も多く、ドライマウスは心身に大きな影響を与えるといえます。
その反面、「口の中が乾くぐらいは病気ではないだろう」などと軽視する人も少なくありません。しかし、唾液の分泌量が減ると、食べ物がうまく飲み込めない、しゃべりづらいなどの不快な症状が出るうえ、虫歯や歯周病になりやすいため、軽く見るのは禁物です。ご質問の方も歯科口腔外科やドライマウス外来などを受診して正確な診断を受け、原因となる病気があれば治療を行いながら、口内の適切なケアを行うことをおすすめします。
ドライマウスの改善のために
日常生活における留意点は、唾液の分泌を促進すること。そのために主に次の3つが大切です。
(1)毎食よく噛んで唾液の分泌を促す。
(2)リラックスすると副交感神経が優位になって唾液の分泌が促進されるので、入浴やティータイムなどゆっくりできる時間を持つ。
(3)唾液腺の機能を高めるストレッチを行う(左図参照)。
それ以外にも、ガムを噛む(シュガーレスやキシリトール配合のもの)、なるべく体を動かす、規則正しい生活を送るなども大切です。
また、口内を潤すために市販の口腔保湿ケア製品を利用するのもひとつの方法です。保湿ジェル、アルコール未使用の洗口液(マウスウォッシュ)などは、唾液に含まれている天然酵素や保湿成分が配合されているものもあり、口内に潤いを与えます。口の中が乾いて荒れ、痛くて歯磨きがつらい場合は、刺激の強い発泡剤を配合していない低刺激歯みがき剤を使うといいでしょう。
冬は空気が乾燥するので、部屋の湿度にも注意を払いましょう。とくに口呼吸をしがちな人は、マスクを上手に利用すると効果的です。また、口内の健康チェックのために定期的に口腔検診を受けることも大切です。
ゆっくり食べ 少量で満腹 (読売新聞 2008年12月11日)
「太っている人は、食べるのが早い」。こんな印象通り、よくかまずに早食いすることは、確かに肥満の原因になるらしい。
東京歯科大とライオン歯科衛生研究所は、肥満と食習慣の関連を共同研究している。それによると、大人も子どもも早食いの人ほど、また、よくかまない人ほど肥満の傾向が強いことが分かった。
研究では意外にも、夜食やおやつ、遅い夕食など、「いつ食べるか」は肥満との明確な関連がみられず、「いかに食べるか」の重要性がはっきりと浮かび上がってきた。
多くかむ人の特徴は、食事時間が長い一方、食事量は少ないこと。これは、食べ物をよくかむほど脳の満腹中枢が刺激されて、食欲が抑えられるためだ。早食いの人は、満腹感を感じる前に大量に食べてしまいがちになる。
研究グループが、健康な男性を50回以上かむ多咀嚼(そしゃく)と通常の咀嚼に分けて、満腹になるまでおにぎりを食べてもらったところ、多咀嚼は528グラム、通常の咀嚼は693グラムで、多咀嚼の方が確かに少ない量で満腹になった。
血糖値を抑えるインスリンの分泌量も、多咀嚼の方が上昇が穏やかで、インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)に優しい。インスリン分泌は年齢とともに衰えて、糖尿病の原因になるため、若い時からインスリンを節約する食事は糖尿病を予防し、健康長寿につながる。
「大人になってから早食いを改善するのは難しい。子どもの時から、先に口に入れた食べ物をのみ込むまで次の食べ物を入れないなど、よくかむ習慣を身につけさせたい」と言われている。
■早食い防止10か条
・かむ回数を意識的に増やす
・一口の量を減らす
・のみ込んでから次の食べ物を口に入れる
・水分と一緒に流し込まない
・ゆっくりと、唾液を混ぜ合わせる
・歯ごたえがある食材を選ぶ
・野菜はゆですぎず、大きめに切る
・品数を増やし、外食では定食を選ぶ
・時々、はしを置く
・2人以上で食べて会話を楽しむ
インプラント治療の危険性 ( 読売新聞 2008年12月)
まさに「諸刃(もろは)の剣(つるぎ)」というほかはない。確かに有効な手段で、素晴らしい治療法なのだが、一つ間違うととんでもないことになる。何の話かというと、今ものすごい勢いで広まりつつある歯科インプラントのことである。
歯を失ったところに、人工の根を埋め込むインプラント。歯科医院で勧められた皆さんは、部分入れ歯やブリッジより、はるかによい方法であるとか、第二の永久歯と呼んでもよいなどという、夢のような話を多く聞かされたことと思う。
ところが、インプラントの危険性についてはあまり聞かされていないようだ。インプラントする場所の骨が薄いから、骨を足さなくてはならないとか、神経が近くにあるから手術が難しいなどという説明はあっても、インプラント自体がかなりリスクの高い修復法であることの説明は少ない。
そもそもインプラントは、部分入れ歯やブリッジなどと違って、神経や血管が分布している骨の中にまで入り込む外科手術の一つであることを肝に銘じなければならない。
歯科医はその教育課程の中で、インプラントの臨床実習はない。ということは、歯科医師免許を取得してから研修することになるが、もちろん1日や2日の講習会ですべてを覚えられるものではない。ところが術式そのものはそんなに難しくなく、しかも高額の治療費を要求できるので、歯科医が安易に取り入れる傾向にある。口腔外科手術の経験がない歯科医が行うインプラント程危険なものはない。まだ保存可能な歯を残す努力もしないでインプラント治療を勧める、なんて考えたくはないが、そういう話も聞こえてくる。
半分を骨の中に埋め、残りの半分を口の中に露出しているインプラントは、常に生体の拒絶反応と感染の恐れにさらされている。そのため感染対策が十分でないと、歯周病のようにインプラントの周囲が腫れてしまい、ぐらぐらとなってインプラントを除去しなくてはならない。
手術中に神経を傷つけて唇のまひがいつまでも続いたり、血管を切って極度の内出血が起こったりして、訴訟問題にまで発展することも多い。
ある歯科大学の口腔(こうくう)外科の教授が「君たちの安易な手術のせいで、インプラント除去に忙殺されている私たちの身にもなってくれ!」と講演会で叫んでいるとういう。
うまい話には裏がある、とまでは言いたくないが、治療費が高額なだけに、セカンドオピニオン(主治医以外の第二の意見)を受けて慎重に選択するのがよい。近年の、インプラントの進歩を否定するものではないが、臨床応用するには歯科医の十分な訓練や専門医資格を厳しく定めることが必要とされている。
親知らず (読売新聞 2008年6月12日)
「親知らず」は抜いたほうがいい、と友人に言われました。痛んだことはないのですが…。(東京都・22歳女性)
まっすぐ生えていて痛みもなく、しっかり噛み合っているのであれば抜く必要はありません。でも、生え方が悪い、腫れや虫歯を繰り返すなどの場合は、できれば若いうちに抜歯をおすすめします。
「親知らず」は一般的に18歳から20歳くらいにかけて生えてくる歯で、正式には「第三大臼歯」といい、「智歯」とも呼ばれます。名前の由来には「親もとを離れてから生えてくるから」などといわれています。退化傾向が著しいので、歯の芽(歯胚)そのものがなくて生えてこない人や、芽はあっても顎の骨の中に残ったままという人も増えています。また、生えたとしても、顎のスペースが十分になかったりすると、トラブルの原因にもなりやすいのです。
もし、生える場所があり、上も下もまっすぐ生えていて、腫れも痛みもなく、しっかり噛む機能をはたしているのであれば、せっかくの健康な歯を無理に抜く必要はありません。しかし、次のような場合は将来的な影響も考慮して、抜くことをすすめます。
(1)横向きや外向きに生えている。
(2)歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性がある。
(3)虫歯や腫れを繰り返す。
(4)食べかすがつまりやすく、歯磨きがうまくできない。
もっとも多いトラブルは「智歯周囲炎」というもので、まっすぐ生えています。このような歯は、一度治ったとしてもまた同じことを繰り返すことが多いので、抜いたほうがよいと言えます。
親知らずは顎の奥にあり、骨が厚いところから抜歯することになるので、体に負担がかかります。ですから、体調のよいときに、できれば若いうちに抜くことをすすめます。とくに女性は、妊娠前に抜いておいたほうがよいでしょう。
抜いた後は、体をいたわり、大事に養生してください。また、細菌の感染や出血が起こらないように、お風呂に長くつかったり、激しい運動をしたりするのは控えましょう。喫煙やお酒などの刺激物を控えることも大切です。
抜けた後 選ぶのはあなた 読売新聞 2008.5月
久し振りにメガネ店に行った。近くが急に見づらくなり、目の疲れもひどくなったからである。昔なじみの店主に検眼をしてもらうと、近視が弱くなって老眼が進んだそうだ。 そうなると当然レンズを新しいのに換えなくてはならない。レンズの度は分かったが、さて、どのようなタイプにするかは、種類が多くてなかなか判断が難しい。用途によって異なるし、ガラス、プラスチックなど素材の違いもあって、素人ではすぐには分からない。
「お任せしますよ」と言いたいところだが、使うのは自分だから一生懸命説明を聞いて、やっとのことで一つを選択する。ところが、まだ終わらない。今度はフレームである。やれやれ、メガネの選択でさえこんなに悩むのだから、歯が抜けた後の処置を選ぶのに、患者さんが迷うのも当然だと思った。歯が1本抜けたとき、どうしたらよいか。という前に、そもそも歯は何の役目をしているか。細かなことを除いて大雑把に言えば、食べる機能と、見栄えの二つである。奥歯が1本抜ければ噛(か)みづらくなるし、前歯が抜ければ見栄えが悪くなる。だから1本抜けた場所に、何らかの処置をしてこの二つの役目を回復しようとする。
「先生、どうしたら良いんですか?」と聞かれると、私はいつも手のひらを広げて五つの選択肢を示す。そしてこう言う。「いいですか、いろいろ示しますが、選ぶのはあなた自身ですからね」
歯が抜けて噛めなくなる、見栄えが悪くなるという現象は、歯科医が積極的に関与する「疾病」の類ではなく、むしろ患者さんの生活の質の向上を考えて対処すべき「障害」の一種である。そう考えれば、抜けたところに何をするかは、実は歯科医ではなく、患者さん自身が選ぶべきものだということがお分かりだろう。 私の示す五つの選択肢とはこうだ。一長一短があるが、体に優しい順に
〈1〉何もしない(1本歯を失っても、噛む機能と見栄えに問題ないのならば、選択肢の一つ)
〈2〉取り外しの義歯(部分入れ歯)
〈3〉接着ブリッジ(両側の歯をわずかに削って、ブリッジを接着剤で固定する)
〈4〉ふつうのブリッジ(両側の歯に冠をかぶせ、その間をつなぐ。歯を削る量が多い)
〈5〉インプラント(人工歯根を骨の中に埋め込んで固定する)、である。
機能回復の度合い、見栄え、かかる診療費などは、全くこの逆の順番となる。歯科医のアドバイスを受けながら一つを選択するが、間違っても「これでなければならない」などということはない。「ああ、面倒くさい! お任せします」なんて言わないで、十分に悩んでください。1本の歯の回復はそれだけ価値のあるものなのですから。
歯との摩擦 痛みの原因 (読売新聞 2008年5月29日)
周囲の歯の跡がくっきりついた舌
歯との相性で舌が痛むこともある。
舌がん治療が専門の北里大耳鼻咽喉(いんこう)科准教授の中山明仁さんのもとには、「舌が痛い。舌がんではないか」と受診する人が時々いる。痛む場所を聞くと、虫歯や入れ歯、歯の治療の跡などに、舌がこすれていることも多い。
こんな時は、歯科で舌があたる部分の歯の出っ張りやざらつきを削り、磨いてもらうことを勧めている。「ぜひかかりつけの歯医者さんに、舌と歯の関係をチェックしてもらってほしい」と中山さん。
舌に歯があたって、舌の周囲にぎざぎざに歯の跡がつく人がいる。「舌が常に歯で圧迫されているので、舌全体の神経が過敏になり、少しの刺激で痛みを感じやすくなります」と九州歯科大教授の柿木(かきのき)保明さんが説明する。
生まれつき下あごが小さい人もいるが、運動不足や水分の過剰摂取、冷え性で血行不良などになると、舌に水分がたまって大きく膨らむことがある。適度な運動で汗をかく習慣をつけることで、改善することがある。
肩や首のこり、食いしばり、前かがみになる癖があると、口の中の緊張が高まって舌が歯に押しつけられる。長年の癖を治すのは難しいが、あごや肩の力を抜き、姿勢を良くするよう心掛ける。
歯の跡がついても、舌が痛まなければ治療の必要はない。「がんでなく、原因が別にあるとわかったことで、痛みが気にならなくなる人もいます」と中山さんは話す。
妊婦さんも歯が命 口腔ケアで出産時のリスク軽減 (2008年) 2月 27日 水曜日 産経新聞 東京朝刊 生活面)
■産科・歯科連携の広がりに期待
歯周疾患が早産・低体重児出産のリスクを高めることが米国で報告されて約10年になる。しかし、産科医・歯科医とも認識が十分でなく、妊婦への口腔(こうくう)ケアの取り組みはまだ十分とはいえない。妊娠中の口腔ケア指導は、出産時のリスクを減らすだけでなく、子供の虫歯予防にもつながることが分かっており、産科・歯科連携の広がりが期待されている。(平沢裕子)
妊娠に伴う食生活の変化やつわりで歯磨きがうまくできないなど、妊娠中は口腔内トラブルを起こしやすい状況にある。
一方で歯科医師側も「妊婦に麻酔を使ってもいいのか」など妊婦の治療に不安を抱く場合が少なくない。
宮川医院産婦人科(神奈川県藤沢市)では、口腔ケアの重要性を知らせるパンフレットを配布したり、口腔内トラブルのある患者に歯科医を紹介するなど、歯科との連携を積極的に行っている。
赤ちゃんの乳歯は妊娠中につくられる。口腔ケアの指導を妊婦さんにすることは、早産のリスクを減らすだけでなく、赤ちゃんの歯の健康にもつながると言われている。
3大がん検診、「一度も受診なし」半数 内閣府調査 2007年11月12日 朝日新聞
がん検診を9割以上の人が重要と考えているのに、日本で死亡者が多い肺がん、胃がん、大腸がんの「3大がん」の検診を一度も受けたことのない人が、いずれも約半数にのぼることが、内閣府が2007年11月に発表した「がん対策に関する世論調査」で明らかになりました。
調査結果では、がん検診が「重要と思う」と答えた人は95%。しかし、検診を「今まで受けたことがない」との回答が、肺がんで52%、胃がんで46%、大腸がんで55%に達した。女性のみを対象にした子宮がん、乳がんでも、それぞれ38%、50%が一度も検診を受けていないことがわかっています。
国の指針によると、肺がん、胃がん、大腸がんは「40代から毎年受診することが望ましい」とされていますが、40代で「1年以内に受診した」と答えた人は肺がん48%、胃がん43%、大腸がん40%に過ぎません。(調査は2007年9月、全国の20歳以上の男女3000人を対象に初めて実施されており、回収率は59%だった。)
一方、「口腔がん」は、がん全体の約2%ですが、口腔がんによる死亡者数は年間約5600人と言われており、数十年前と比較すると約2倍以上増加していると言われています。
口腔は、食事、会話、嚥下機能に影響し、進行の具合によっては顔貌の変化を伴い、QOLが著しく低下するため、より早期発見・治療が重要とされています。
口腔外科専門医による歯科医院での定期的な口腔の診査をお勧めします。
治療最前線インプラントニュース
がん治療にあたっての口腔ケアの必要性について[日経新聞 2010年9月1日号]
独立行政法人国立がん研究センターと日本歯科医師会は8月31日、がん患者の口腔内の合併症を予防・軽減するため、連携して手術前の患者に口腔ケアを提供することを盛り込んだ合意書を取り交わした。2013年度までに、全国のがん診療連携拠点病院と地域連携歯科医療機関の連携体制の構築を推進していくことを目指す。
来年度以降は、化学療法や終末期医療の患者を段階的に対象に加える。また、全国のがん診療連携拠点病院などにも連携体制の構築を呼び掛ける。
がん患者に歯科治療やブラッシング指導を提供することで、口腔合併症の軽減や肺炎の予防などにつなげる。その結果、がん治療そのものの質の向上が望めるといい、同センターの嘉山理事長は同日の記者会見で、「日本全国に広げていきたい」と強調した。会見には、同センターでがん治療を受けた患者も出席し、「がん患者が安心して歯科治療が受けられるよう、(今回の試みを)広く伝えてほしい」と訴えた。
同センターと日歯が作成した事業計画書によると、同センターで手術を受ける患者はまず、手術日が決定した段階で、連携に参加する専門的知識のある歯科医によるブラッシング指導や口腔ケア、歯科治療などを受ける。がん患者はその後、手術に臨み、退院後も必要であれば継続して口腔ケアや歯科治療を受けられるように同センターと連絡を取る。
口腔外科専門医[週刊朝日 2009年5月29日号 掲載]
口腔外科では、舌、口、顎などの口腔顎(がく)顔面領域の主に外科処置を行っており、診療対象となる疾患は大変幅広い。近年急増している顎関節症やインプラント治療、顎変形症、唇顎口蓋裂、外傷なども口腔外科の診療領域だ。また、舌がんや歯肉がんなどの口腔がんの早期発見にも頼れる診療科だといえる。
社団法人日本口腔外科学会では、こうした高い専門性が求められる口腔外科領域の疾患治療のスペシャリストとして、「口腔外科専門医」を認定している。
厚生労働省では、2002年4月から、医師及び歯科医師の専門医資格を認定する団体に対して、 「基準を定めて、その基準に適合した学会の専門医資格に限り」広告することを認めている。
専門医の資格取得のためには、100例以上の執刀経験や入院患者50症例以上の診療経験、論文・研究業績など、さまざまな厳しい条件を満たした上で、筆記と口述試験に合格しなければならない。
同学会では、専門医の資格条件や審査のハードルをこれまでより高いものに改め、昨年4月より新制度をスタートさせており、専門医のさらなる発展と水準の向上が図られている。
インプラント治療最前線 [朝日ジャーナル 2009年4月14日 掲載]
虫歯や歯周病などで大切な歯を失ったときの治療の1つとして、顎の骨に埋めた人工歯根を土台に人工の歯を固定するインプラント治療が挙げられる。顎にしっかりと固定され、本来の歯に近い感覚を取り戻せるため、第2の永久歯ともいわれるものだ。多くの歯を失った人の治療も可能にするなど、現在も適応範囲は広がっている。
さまざまな利点を持つインプラント治療
歯を何らかの原因で失った場合、そのままでは両隣の歯が抜けた箇所へ傾いたり、歯を支えていた顎の骨がやせたりする。そうしたことを防いでかみ合わせを保つため、歯を補うさまざまな治療が必要になる。中でも注目されているのが、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め、それを土台に人工の歯を固定するインプラント治療だ。
チタンは骨と結合する性質があり、材料として用いることで人工歯根を顎の骨に固定できる。それにより、天然の歯に近い感覚でものをかめるほか、隣の歯に負担をかけないで済む、顎の骨に刺激を与え続けることで骨がやせるのを防ぐなどの利点が得られる。
インプラント治療の流れ 診断から治療後まで
治療は時間をかけて段階的に行われる。まず、カウンセリングや診断によって治療計画を立て、続いて人工歯根を埋め込む手術を行う。手術後は数カ月の期間をおいて人工歯根と骨が結合するのを待ち、人工の歯を取り付けて治療が完了する。インプラントの周囲に炎症などを起こして人工歯根が抜けることもあるため、治療後は定期的なメンテナンスが必要だ。
治療には保険が適用されず、費用がすべて自己負担になる。一般的に1本あたり30~60万円程度かかるが、手入れをきちんと行っていれば半永久的に使え、何度も治療しなおす必要もない。
技術や機器の進歩により多くの症例に対応
現在のインプラント治療は、技術や機器の進歩などにより、多くの症例に対応できるようになった。例えば、すべての歯を失った人は、本来なら 10~14本のインプラントが必要になるが、最小4本のインプラントで総義歯を支えるオールオン4なら、埋める本数が抑えられ、短期間かつ比較的安価で治療が可能だ。すでに顎の骨が十分にない場合でも、症状次第で骨移植や骨補填材によって骨を補った後に手術を行える。
こうした新しい治療法に限らず、インプラント治療は口腔外科の専門的な知識、高度な手術技能が必要になる。長期にわたって口腔内の健康を維持するためにも、多くの情報を集めて専門性の高い歯科医を選ぶのが望ましい。
インプラント治療と口腔の疾患について
東京歯科大学 非常勤講師
(社)日本口腔外科学会 口腔外科専門医
(社)日本顎顔面インプラント学会 指導医
(社)日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
岡 崎 雄 一 郎
近年、歯を失った際にそれを補う治療法の選択肢の一つとしてインプラント治療が一般的になっています。保険内診療である義歯やブリッジが現在でも主流ではありますが、多くの歯科医院がインプラント治療を行うようになってきました。しかし、その反面様々な問題が生じる場合があることも事実です。
インプラント治療とは、顎骨にチタン性の人工歯根(フィクスチャーというネジのようなもの)を埋め込み、その上に歯の形をした修復物(補綴物・上部構造などという)を装着するものです。
顎骨に埋入する処置は口腔外科領域では小手術にあたりますが、個人の骨・全身状態、免疫機構によっては、良好な経過を得られないこともあります。つまり、義歯やブリッジによる一般的な歯科治療も当然ですが、より全身状態の評価・知識が必要とされています。
近年、歯周病と糖尿病、心疾患、脳血管疾患などとの関連が明確にされており、口腔内環境が全身状態に及ぼす影響は大きいものとされています。特に高齢者においては様々な合併疾患があるため、より注意が必要になることは言うまでもありません。
現実には上記の事項を全く理解していない歯科医師が多く、インプラント治療を単純なものと誤解して治療を行っている者が事故を招いています。
今回は、インプラント治療における注意点、問題点を説明させていただくとともに、皆様の経験した様々な問題点も併せてご提示して頂ければと思います。
また、歯科治療、インプラント治療と併せて、高齢者の口腔疾患、特に「口腔がん」とはどのようなものかを症例を呈示し、説明したいと思います。口腔がんは、欧米での減少傾向に対して、日本では増加傾向にあります。また、発見時の進行度も高く、予後不良例も多くみられ、専門医による早期発見・治療が必要とされています。 口腔疾患の特徴、最近の歯科医療の現状を少しでも御理解頂ければ幸いです。
トピックス&ニュース
当院が幼稚園協会誌に紹介されました。
e-まちタウンの特集ページ「幼稚園協会誌」に取材を受け、
口腔外科についての記事が掲載されました。
『口腔がん』、『顎関節症』、『外傷』、『粘液嚢胞』 などの説明をしていますので
是非一度ご覧ください。
口腔がんについて
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顎関節症について
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外傷・粘液嚢胞について
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1月 臨時診療日・休診日のお知らせ
1月の診療日のお知らせです。
1月12日(木曜日)は午前中のみ診療を行います。
(午後は休診となります。)
1月13日(金)は応急処置対応となります。
クリーニング等の処置は別日にて御検討下さい。
少しでも症状のある方はお早めにご予約頂きますよう
宜しくお願い致します。
高精度の審美治療を求める方に!
当院では、より審美回復機能の高い治療を求める方に、
ジルコニアを用いた修復をおすすめしております。
ジルコニアは金属色が出ず、金属アレルギーの方にも安心して用いることが
できる材質として近年では一般的に用いられています。
院内技工所にてスキャニングを行い、
精度の高い被せ物を作製することが可能です。
ご希望の方は、費用・適否を含めお気軽にお問い合わせ下さい。
出来るだけ歯を残す! それが良い歯科医か??
最近よくある広告で、「出来るだけ抜かない・歯を残す」などと
いかにも立派な事のように宣伝している医院を多くみかけます。
「歯を可能な限り残して、ご自身の歯でいつまでも食事をする。」
確かに理想的な事ですし、医学的にも目指すところではあります。
しかし、実際は明らかに抜歯が適応の歯に無理やり被せものをして、
費用を請求し、患者さんには「残しました」と堂々としている医院が
存在します。明らかに医療とは言えず、将来性を考えていない治療です。
上記のトラブルが非常に多く、症状が悪化し苦痛を得ている方が多くなりました。
これは、多くのマスメディアが「歯を残す=良い歯医者」のイメージを
国民に植え付けてきたことにもよります。
抜歯適応の歯を残して生活している事でどれだけ日常に支障を与えているか
考えてみてください。食事の度に痛みがあり、時々腫れたり・膿んだりと
体にとって良い訳がありません。義歯も合わず食事が苦痛になります。
(体調によりどうしても抜歯が困難な場合は除きます。そのような場合も
専門性があれば内科医との連携により抜歯が可能な場合がほとんどです。)
痛みの少ない適確な抜歯技術が無い医院、もしくはその他
「何も専門性を持たない医院の特徴的な広告」に惑わされることなく、
ご自身の体にとって何が最良かを是非ともご判断ください。
歯を抜く(抜歯)ことは悪いこと?
良好な口腔内環境をつくるためには、
悪くなっている歯、虫歯でどうしても保存が困難な歯は抜歯すべきです。
当然、残すことのできる歯は保存します。
抜歯を拒否してきた事で、さらにお口の環境が悪化して、
回復困難になっている例が非常に多くなっています。
高齢社会の中、歯科医師も安全な抜歯を心掛ける必要がありますし、
また、患者さんも過去の抜歯の恐怖心を払拭する必要もあります。
「抜かない治療」などの宣伝に惑わされていることも要因かもしれません。
全例にそのような事が適応にならないからです。
抜歯の必要な歯に対する診断は、ほぼどの医院でも一緒です。
あとは安全に行えるか、そこが重要です。
歯ぐきに根っこ(歯根)だけが残ったままで、痛みに耐えている方、
抜歯は怖い、悪い治療・・、など誤解している方、
ご自身の将来を考え適切な処置を受けてください。